いま災害が起きている・起きそうなときは、気象庁の防災情報とお住まいの自治体の情報を確認してください
はじめての防災

ハザードマップの見方|自宅の危険を5分で確かめる手順と、色の意味

「ハザードマップ、見たことはあるけれど、色の意味までは覚えていない」 「自分の家が危ないのかどうか、正直よくわからない」

そんな方は少なくありません。けれど、大雨や台風が近づいてから調べ始めるのでは遅すぎます。自宅の危険は、何も起きていない今のうちに確かめてください。

この記事では、国土交通省や防災庁の資料をもとに、

  1. ハザードマップとは何か
  2. スマホでも5分でできる、自宅の確かめ方
  3. 色(浸水の深さ)の意味と、災害ごとに見るポイント
  4. 「色がついていない=安全」ではない理由
  5. 職場・学校・避難場所の確認と、家族での共有

を、順番にまとめました。

POINTポイント

まずは自宅の住所を入れて、「色がついているか」「どのくらいの深さか」を確かめましょう。それだけで、大雨のときにとるべき行動が大きく変わります。

この記事の目次
  1. 1. ハザードマップとは?「重ねる」と「わがまち」の2つ
  2. 2. 5分で確かめる手順(重ねるハザードマップ)
  3. 3. 色の意味:浸水の深さは「家の何階まで」で読む
  4. 4. 「色がついていない=安全」ではない
  5. 5. 職場・学校・避難場所も見て、家族で共有する
  6. 今日・今週・今月にできること
  7. よくある質問
  8. まとめ:今日、自宅の住所を入れてみよう

1. ハザードマップとは?「重ねる」と「わがまち」の2つ

防災庁のサイトで公開されている「避難行動判定フロー」では、ハザードマップを浸水や土砂災害が起きるおそれの高い区域に色をつけた地図と説明しています。

全国のハザードマップは、国土交通省と国土地理院が運営する「ハザードマップポータルサイト」でまとめて見ることができます。ここには、2種類の地図があります。

重ねるハザードマップ わがまちハザードマップ
中身 洪水・土砂災害・高潮・津波などの危険を、1つの地図に重ねて表示 市町村が法令にもとづいて作ったハザードマップへのリンク集
向いている使い方 住所を入れて、まわりの危険をまとめて見る お住まいの市町村の地図で、避難場所や避難の決まりを確かめる
作っているところ 国や都道府県などのデータを集めて表示 各市町村

CAUTIONここに注意

ハザードマップポータルサイトは、「重ねるハザードマップ」には避難に必要な情報がすべてそろっているわけではないとして、実際に避難するときは、必ず市町村のハザードマップを確認するよう呼びかけています。まず「重ねる」で全体をつかみ、「わがまち」で市町村の地図を見る。この2段階で確かめましょう。

2. 5分で確かめる手順(重ねるハザードマップ)

国土地理院の「重ねるハザードマップ操作マニュアル」をもとに、いちばん手早い確かめ方をまとめます。スマホでもパソコンでもできます。

手順1:住所を入れる(または「現在地から探す」)

ハザードマップポータルサイトのトップページで、自宅の住所を入れて検索します。家にいるなら「現在地から探す」でもかまいません。

手順2:表示された「災害リスク」を読む

地図に切りかわると、その場所で想定される災害の危険が自動で地図に表示され、文字でも説明されます。避難行動のポイントもあわせて表示されます。

この説明の枠(ポップアップ)は、危険の大きさによって色が変わります。

白 → 黄色 → 橙色 → 桃色 → 赤色 の順に、危険が高くなります。

ただし、洪水と高潮の両方で浸水する場所では、浸水がいちばん深くなる災害の情報だけが表示されます。災害ごとの深さは、次の手順で一つずつ確かめてください。

手順3:災害の種類ごとに見る

「洪水」「土砂災害」「高潮」「津波」の4つのアイコンから選ぶと、それぞれの危険が地図に表示されます。洪水・高潮・津波を選ぶと、画面の右下に**浸水の深さと色の対応(凡例)**が出ます。

手順4:避難場所を表示する

「指定緊急避難場所」のアイコンを押すと、表示している災害に対応した避難場所が地図に出ます。2026年7月13日からは、「すべての情報から選択」から、避難生活を送る「指定避難所」も確認できるようになりました。

手順5:市町村のハザードマップを開く

地図上で「リスク検索」をして表示される「○○市のハザードマップを見る」から、その市町村のハザードマップ(わがまちハザードマップ)に移れます。

手順6:印刷・保存しておく

「その他」のメニューから、地図の印刷や、画像・PDFとしての保存ができます。停電やスマホの電池切れにそなえて、紙でも持っておきましょう。

MEMOメモ

操作マニュアルでは、住所検索や現在地の検索には誤差があり、その場所ぴったりの情報が出ないことがあるとしています。自宅のまわりも少し動かして、周辺の色も見ておきましょう。

3. 色の意味:浸水の深さは「家の何階まで」で読む

浸水の深さの色分け

国土交通省の「水害ハザードマップ作成の手引き」(令和8年5月)では、浸水の深さを6段階で色分けすることを標準としています。洪水・内水(街に降った雨があふれること)・高潮・津波で共通です。

境目の深さには、ふつうの家に当てはめた意味があります。

浸水の深さ 家に当てはめると(手引きの考え方)
0.5m未満 1階の床の高さより下
0.5m〜3m 1階の床の上まで水が来る(3mは2階の床下に当たる)
3m〜5m 2階の床より上まで水が来る(5mは2階が水につかる深さ)
5m〜10m 2階が水につかる深さをこえる
10m〜20m さらに深い
20m以上 さらに深い

標準の色は、浅いところほど薄い色、深いところほど濃い色になります。重ねるハザードマップでは、津波はさらに細かい8段階で表示されます。ただし、手引きでは地域に合わせて似た色やしま模様を使うことも認めているため、市町村の地図では、必ず凡例で確かめてください。

浸水の深さは、海面からではなく、その場所の地面からの深さです(ハザードマップポータルサイト「よくある質問」)。

「0.5m」でも、外を歩くのは危険

手引きでは、流れがゆるやかでも、深さ0.5m以上の水では大人でも歩くのが難しくなるとしています。車も、30cm以上で走るのが難しくなり、50cm以上では浮いたり、窓が開かずに閉じこめられたりするおそれがあります。

色が「いちばん浅い段階」でも、水が来てから外へ出るのは危険です。水が来る前に動くことが大切です。

災害ごとに見るポイント

災害 見るポイント
洪水 浸水の深さに加えて、家屋倒壊等氾濫想定区域(激しい流れで家が倒れたり、地面が削られて家ごと崩れたりするおそれがある区域)と、浸水継続時間(水が引くまでの時間)も確かめる
土砂災害 土砂災害警戒区域(命や体に危険が及ぶおそれがある区域)と、土砂災害特別警戒区域(建物が壊れ、命に著しい危険が及ぶおそれがある区域)に入っていないか
高潮 台風などで海面が上がって起きる浸水の深さ。洪水と同じ色の見方で読む
津波 浸水の深さ。国の手引きでは、市町村の地図は建物に当たってせり上がる分を加えた「津波基準水位」で示すとしている。家にとどまるのは危険で、すぐに高台へ逃げるのが基本

防災庁の「避難行動判定フロー」によると、家屋倒壊等氾濫想定区域や浸水継続時間は、重ねるハザードマップには載っていません。市町村のハザードマップにも載っていない場合があるため、そのときはお住まいの市町村に問い合わせてください。

津波については、国土交通省の手引きで、津波避難ビルなど以外の建物にとどまることも危険なので、ただちに浸水しない高台などへ逃げる必要があるとしています。

4. 「色がついていない=安全」ではない

ここが、いちばん大事なところです。色がついていないからといって、安全だと思わないでください。

公的資料は、はっきりこう書いています。

  • ハザードマップポータルサイト:危険が表示されない場所は、危険が想定されていない場所か、データがまだ整っていない場所
  • 国土交通省の手引き:色がついていない場所は「計算上は浸水しない場所」。雨の降り方によっては、地図に示されていない場所でも浸水し、深さも深くなることがある
  • 土砂災害:土砂災害警戒区域ではない場所でも、土砂災害は起こる。近くにがけや小さな沢があれば注意が必要(ハザードマップポータルサイト「よくある質問」)
  • 防災庁「避難行動判定フロー」:色がぬられていなくても、まわりより低い土地や、崖のそばに住んでいる人は、市区町村の避難情報を参考に、必要なときは避難する

また、地図の情報が最新ではない場合や、新しい浸水想定が後から追加される場合もあると、ハザードマップポータルサイトは説明しています。年に一度は見直しましょう。

MEMOメモ

「想定最大規模」の雨は、1年間にその規模をこえる雨が降る確率がおよそ1000分の1とされる、その地域で考えられる最大の雨です。ハザードマップポータルサイトは、こうした確率は「その年数ごとに来る」という意味ではないと説明しています。「めったに来ないから大丈夫」ではありません。

5. 職場・学校・避難場所も見て、家族で共有する

自宅だけでなく、毎日いる場所も

防災庁の「事前防災徹底のための緊急要請」(2026年11月2日)では、ハザードマップで自分の家や職場のリスクを知り、避難場所や避難経路を確認するよう求めています(→防災庁の緊急要請の記事)。

千葉県の「避難場所・避難経路を確認しよう」でも、自宅だけでなく学校や職場、よく行く場所の危険も確かめ、学校や職場から避難する場合も考えておくよう勧めています。

確かめる場所 見ること
自宅 色・浸水の深さ・土砂災害の区域
職場 同じく危険の有無。職場の近くの避難場所
子どもの学校・園 危険の有無と、学校の避難の決まり
通勤・通学路 低い道、川沿い、がけの近くを通っていないか
実家・親戚の家 避難先として身を寄せられる安全な場所か

避難場所と避難経路を決める

防災庁の資料では、「避難」とは**「難」を「避」けること**であり、安全な場所にいる人は避難場所へ行く必要はないとしています。避難先は小中学校や公民館だけでなく、安全な親戚・知人の家やホテル・旅館も考えてみるよう呼びかけています。

覚えておきたいのは、次の2つの違いです。

名前 役割
指定緊急避難場所 命を守るために、まず逃げる場所。災害の種類ごとに安全な場所が指定されている
指定避難所 家に戻れないときに、しばらく避難生活を送る場所

洪水のときに使える場所と、津波のときに使える場所は同じとは限りません。災害の種類ごとに、行き先を確かめてください。

千葉県は、避難場所まで実際に歩いてみることも勧めています。地図では気づかなかった危険に気づけることがあるからです。

家族で「避難行動判定フロー」を一緒にやる

防災庁の「避難行動判定フロー」は、次の順番で、自分のとるべき行動を決められるようになっています。

  1. ハザードマップで自分の家を探し、印をつける
  2. 家のある場所に色がぬられているか確かめる
  3. 色がぬられていれば、原則として**家の外へ避難(立退き避難)**が必要
  4. 自分や一緒に逃げる家族が、避難に時間がかかるかどうか考える
  5. 安全な場所に住む、身を寄せられる親戚や知人がいるか考える

時間がかかる人(高齢の家族、小さな子どもがいる家庭など)は警戒レベル3「高齢者等避難」で、それ以外の人も警戒レベル4「避難指示」までに、危険な場所から避難します。

ただし、次の3つがすべてそろえば、家にとどまって安全を確保する(屋内安全確保)ことも可能とされています。

  • 家屋倒壊等氾濫想定区域に入っていない
  • 浸水の深さより高い部屋にいられる
  • 水が引くまでがまんできる、水や食料などの備えが十分にある

家にとどまる場合の備えは、備蓄量の計算で確認できます。避難するときに持って出るものは、持ち出し袋の記事にまとめています。

WITH KIDS子どもと一緒に

防災庁のサイトには、小学生向けの「ひなん行動判定フロー」もあります。印刷したハザードマップに、子どもと一緒に自分の家や学校の印をつけて、「ここは何色?」「どの道を通って逃げる?」と話してみてください(→子どもと防災の記事)。

決めたことは、家族全員が知っていなければ意味がありません。印刷した地図に避難先と道順を書きこんで、家族の目につく場所に貼っておきましょう。

今日・今週・今月にできること

いつ やること
今日 重ねるハザードマップで自宅の住所を検索し、色と浸水の深さを確かめる
今週 職場・学校・通学路と、実家など身を寄せられる先も確かめる/市町村のハザードマップを開き、避難場所を災害の種類ごとに確認する/地図を印刷する
今月 家族で「避難行動判定フロー」をやって、避難先と避難のタイミングを決める/避難場所まで実際に歩いてみる

よくある質問

Q「重ねるハザードマップ」と市町村のハザードマップ、どちらを見ればいいですか?

両方です。ハザードマップポータルサイトは、重ねるハザードマップには避難に必要な情報がすべてそろっているわけではないとして、実際に避難するときは必ず市町村のハザードマップを確認するよう呼びかけています。また、重ねるハザードマップの情報は最新でない場合もあるとしています。

Qとなりの家とほとんど高さが変わらないのに、浸水の深さが大きく違って表示されます。

ハザードマップポータルサイトによると、地図の浸水の深さは、土地の高さのデータと計算の両方に誤差を含んでいるため、場所によってはとなり同士で2m以上の差が出ることがあります。1点だけで判断せず、まわりの色もあわせて見てください。

Q家の場所に色がついていませんでした。もう避難のことは考えなくていいですか?

いいえ。色がついていない場所でも災害が起こる可能性があると、防災庁の資料は書いています。まわりより低い土地や、がけのそばに住んでいる場合は、市区町村の避難情報を参考に、必要なときは避難してください。職場や学校、通り道の危険も確かめておきましょう。

まとめ:今日、自宅の住所を入れてみよう

  • ハザードマップは、浸水や土砂災害が起きるおそれの高い区域に色をつけた地図
  • 「重ねるハザードマップ」で全体をつかみ、避難のときは市町村のハザードマップで確かめる
  • 浸水の深さは0.5m・3m・5mを「1階の床・2階の床・2階が水につかる」と読む
  • 色がついていない=安全ではない。低い土地やがけのそばは特に注意
  • 自宅だけでなく、職場・学校・通り道・避難場所も確かめ、家族で共有する

今日、ハザードマップポータルサイトを開いて、自宅の住所を入れてください。5分あれば、家の危険がわかります。

ほかの備えは「防災は何から始める?」で、順番にまとめています。確かめたことは、防災チェックリストにチェックを入れておきましょう。


出典:

わが家に必要な量は?家族の人数を入れるだけで、水・食事・トイレの備蓄量がわかります

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