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備蓄・食料

食料の備蓄とローリングストック|何を・どれだけ・どう回すか、国のガイドで整理

「食料の備蓄って、何をどれだけ置けばいいの?」 「非常食を買ったけれど、気づいたら賞味期限が切れていた」

そんな悩みはありませんか?

大きな災害のあと、お店に食べものが並ばない日が続くことがあります。そのときに家族を支えるのは、家にある食べものです。

この記事では、農林水産省の「災害時に備えた食品ストックガイド」と、防災庁の緊急要請をもとに、

  1. どれだけ備えるか(量の目安)
  2. 何を備えるか(主食・主菜・副菜などのそろえ方)
  3. どう回すか(ローリングストックの手順と置き場所)
  4. 赤ちゃん・高齢者・アレルギーのある家族の備え

を、順番にまとめました。

POINTポイント

特別な非常食を買いこむより、ふだん食べているものを少し多めに買い、食べたら買い足す。これが、続けられる食料備蓄の基本です。

この記事の目次
  1. 1. どれだけ備える? 最低3日分、できれば1週間分
  2. 2. 何を備える? 「炭水化物ばかり」にしない
  3. 3. どう回す? ローリングストックの手順
  4. 4. 赤ちゃん・高齢者・アレルギーのある家族の備え
  5. 今日・今週・今月にできること
  6. よくある質問
  7. まとめ:まずは「家にある食品を数える」ことから

1. どれだけ備える? 最低3日分、できれば1週間分

国の目安

防災庁が2026年11月2日に出した緊急要請では、「大災害では、すぐに助けが来るとは限りません」として、最低3日間、できれば1週間分の水や食料を備えるよう求めています。

農林水産省の資料(2026年9月に内容を更新した「家庭備蓄のすすめ」)では、その理由を次のように説明しています。

  • 過去の災害では、電気・ガス・水道などが元に戻るまで1週間以上かかることが多い
  • 支援物資が3日以上届かないことがある
  • 物流が止まり、1週間はスーパーやコンビニで食品が手に入らないことが想定される

そのため、**「最低3日分〜1週間分 × 家族の人数分」**の家庭備蓄が望ましいとしています。

備える人 目安(農林水産省)
一般の家庭 最低3日分、できれば1週間分
要配慮者(赤ちゃん、高齢者、食物アレルギーのある人など) 2週間分

さらに、自治体のハザードマップなどを確認し、住んでいる地域の状況によっては2週間分など多めに備えることも大切だとしています。

水も一緒に

食べものと水は、セットで考えます。防災庁の要請では、飲み水は食事に使う分もふくめて1人1日3リットル。農林水産省のガイドでも、1人1日3リットル(飲む水+調理に使う水)を目安にしています。湯せんや、食器を洗う水は別に必要です。

わが家にどれだけ必要かは、備蓄量の計算で家族の人数を入れると、水と食事の量がすぐにわかります。3日分と7日分を切り替えて確かめてください。

2. 何を備える? 「炭水化物ばかり」にしない

災害のあとは、食事がかたよりやすい

農林水産省のガイドは、災害の直後は炭水化物(ごはん・パン・めんなど)ばかりになりがちで、栄養のバランスを考えないと体調をくずすおそれがあると注意しています。大きな災害では、野菜が足りず、便秘や口内炎に悩んだという声もあったそうです。

だから、主食だけでなく、おかずや野菜、果物までそろえておきましょう。

そろえたい食品の例(農林水産省のガイドより)

分類 役割 例
主食 エネルギーのもと 精米・無洗米・パックごはん、小麦粉・餅、乾麺・即席麺・カップ麺、缶詰パン・乾パン
主菜 たんぱく質のおかず 肉・魚・豆の缶詰、レトルト食品(丼・カレー・パスタソースなど)、フリーズドライ食品、充填豆腐、かつお節・煮干しなどの乾物
副菜 ビタミン・ミネラル・食物繊維 梅干し・漬物、じゃがいも・たまねぎ・かぼちゃなど日持ちする野菜、野菜の缶詰、野菜ジュース、のり・ひじき・切り干し大根・わかめ、インスタントみそ汁・即席スープ
果物 ビタミン・ミネラル 日持ちする果物、果物の缶詰、果物ジュース、ドライフルーツ
牛乳・乳製品 常温で保存できる牛乳、粉チーズ、スキムミルク
お菓子・嗜好品 アメ、ようかん、チョコレート、ビスケット、せんべいなど
調味料・その他 塩・しょうゆ・みそ・砂糖・油など、ふりかけ・ジャム・はちみつ

ガイドでは、たんぱく質をとるには缶詰がおすすめだとしています。長く保存できて、手軽で、値段も手ごろだからです。

WITH KIDS子どもと一緒に

農林水産省のガイドでも、アメやチョコレート、ビスケットなどのお菓子が備蓄食品に入っています。買い物のときに、子どもと一緒に「これなら食べたい」を選んでおきましょう。

好きな味を、ふだんから見つけておく

農林水産省のガイドは、非常食は味がさまざまで、いざというときに苦手な味ばかりだと心まで疲れてしまうとして、ふだんから試食して好みの味をそろえておくよう勧めています。

災害のときこそ、食べ慣れた、おいしいものを食べてください。

カセットコンロとボンベを忘れずに

お湯をわかせると、レトルト食品やカップ麺、フリーズドライなど、食べられるものが一気に増えます。温かい食事は、体を温め、気持ちを落ち着かせてくれます。

項目 目安(農林水産省のガイド)
カセットボンベ 1人1週間あたり約6本
使用期限の目安 ボンベ約7年、コンロ約10年
一緒に用意 鍋、やかん

ガイドは、オール電化の家でも、万が一のために備えておくよう勧めています。ライフラインのうち、元に戻るまでいちばん時間がかかるのがガスだからです。

CAUTIONここに注意

カセットコンロとボンベは、災害のときに上から落ちてこないよう、低い位置の棚にしまいましょう。農林水産省のガイドは、コンロとボンベを同じ場所にしまうことも勧めています。使うときは、器具の説明書に従ってください。

あると助かる台所用品

断水すると、食器を洗えません。ガイドでは、次のような身近な台所用品が役に立つと紹介しています。

  • ポリ袋:手袋代わり、材料を混ぜるボウル代わり、水を運ぶ袋に
  • ラップ:お皿に敷けば、洗い物が減る
  • アルミホイル、クッキングシート、キッチンペーパー
  • 除菌シート(ペーパー):手を洗う水の代わりに

耐熱のポリ袋に食材を入れて鍋で湯せんする「パッククッキング」なら、洗い物をほとんど出さずに料理ができます。農林水産省のガイドでは、湯せん対応と書かれたポリ袋を使い、鍋の底に耐熱の皿や布巾を敷く、といった注意点を挙げています。

3. どう回す? ローリングストックの手順

ローリングストックとは

農林水産省は、ローリングストックを次のように説明しています。

ふだんの食品を少し多めに買い置きしておき、賞味期限を考えて古いものから食べ、食べた分を買い足すことで、いつも一定量の食品が家にある状態を保つ方法

防災庁の要請でも、ふだん使っているものを多めに買い、使ったら補充する習慣をつけるよう呼びかけています。首相官邸のページでも、特別な防災食ではなく、ふだんの生活で食べている食品を備えるよう勧めています。

ガイドが挙げるよい点は2つです。

  • お金と時間の面で、ふだんの買い物の範囲でできる
  • 買い置きのスペースを少し増やすだけですむ

4つのステップ

ステップ やること
1 家にある食品をチェックする
2 栄養バランスを考え、家族の人数や好みに合わせて、備える中身と量を決める
3 足りないものを買い足す
4 賞味期限が切れる前に食べ、食べた分を買い足す(→ 1に戻る)

ガイドは、備蓄の食品を「非常食(おもに災害のときに使うもの)」と「日常食品(ふだん使い、災害のときにも使えるもの)」に分けて、両方をバランスよく備えるよう勧めています。

置き場所のコツ

農林水産省のガイドでは、しまい方について、次のような工夫を紹介しています。

  • 毎日使う食品は台所に置いて回す。たまにしか使わないものは押し入れやクローゼットへ
  • 中身がひと目でわかるケースや箱に入れる。側面に賞味期限を書いておく
  • 補充するときは古いものを手前、新しいものを奥へ。手前から使う
  • 重いものは下、軽いものは上。家具が倒れにくくなり、落ちてきたものでけがをするのも防げる
  • 水は分けてしまう。大人2人の1週間分でも、2リットル×6本入りの箱が4つほどになるため、台所・押し入れ・寝室のクローゼットなど、すき間に分けて置く

家具の固定もあわせて見直してください(→地震にそなえる記事)。

災害のときに食べる順番

ガイドでは、災害のときはまず冷蔵庫にある食品を食べ、次にストックの食品を食べていく、としています。 「1日分の食品のセット」を7日分つくっておく方法も紹介されています。誰が何を食べればいいか、すぐにわかって便利です。

MEMOメモ

避難するときに持ち出す分は、別に用意します。農林水産省のガイドでは、災害の当日の備えとして「水1リットル+調理のいらない非常食3食」を持ち出し袋などに入れておくよう勧めています。持ち出し袋の中身は「非常用持ち出し袋の中身リスト」でまとめています。

4. 赤ちゃん・高齢者・アレルギーのある家族の備え

農林水産省は、要配慮者のための「食品ストックガイド」も出しています(2026年9月改訂)。 アレルギー対応食や乳児用ミルクなどの特別な食品は、災害のときに手に入りにくくなるとして、ふだんから少なくとも2週間分を備えるよう勧めています。

ガイドには、東日本大震災から約1か月後に、ある市の避難所を調べた結果として、**ふつうの食事では対応できない避難者がいた避難所が、回答した69か所のうち24か所(約35%)**あったという調査も載っています。家族に合った食べものは、家族で用意してください。

家族 備えたいもの(農林水産省のガイドより)
赤ちゃん 粉ミルク、哺乳びん、紙コップ・使い捨てスプーン、多めの飲み水、レトルトなどの離乳食、好物の食べもの・飲みもの
高齢の家族 レトルトやアルファ米のおかゆ、缶詰・レトルト・フリーズドライ食品、インスタントみそ汁・即席スープ、食べ慣れた乾物、栄養補助食品、好物
かむこと・飲みこむことが弱くなった家族 やわらかいレトルトごはん、レトルトのおかゆ、介護食品(スマイルケア食など)、とろみ調整食品
持病のある家族 糖尿病や高血圧などは、一般の備えをもとに献立を工夫する。腎臓病は、低たんぱく・低カリウムのレトルト食品など特別な食品を多めに
食物アレルギーのある家族 アレルギー対応の粉ミルク・離乳食、原因の食べものが入っていないおかゆ・ごはん・缶詰・レトルト食品など

赤ちゃん

ガイドでは、粉ミルクと哺乳びんを備えておくと安心だとしています。調乳に使う飲み水は多めに。哺乳びんがないときは、紙コップやスプーンでも飲ませられます。 液体ミルクは、お湯で溶かさずにそのまま飲ませられます。ガイドでは、飲み残しを与えないことなどを注意点に挙げています。

高齢の家族

ガイドは、高齢の家族がいる家の備えは、一般の家とそれほど大きく変わらないとしています。そのうえで、やわらかいおかゆやみそ汁、食べ慣れた乾物があると安心です。 レトルト食品が苦手な方も多いため、ふだんから食べ慣れておくことを勧めています。入れ歯も忘れずに。

食物アレルギー

ガイドには、東日本大震災のあと、卵・牛乳・小麦を除いた食品が1週間以上手に入らなかったと答えた人が半数以上いた、という調査が載っています。 ふだん食べているアレルギー対応食品を多めに買い置きし、ローリングストックで少なくとも2週間分を備えてください。アレルギーがあることを周りに伝える表示カードやビブスの用意も勧められています。

CAUTIONここに注意

アレルギー対応食品は、買うときに必ず原材料の表示を確かめてください。わからない点は、メーカーに問い合わせましょう(農林水産省のガイドより)。

子どもの備え全体は「子どもと防災」でもまとめています。

今日・今週・今月にできること

いつ やること
今日 家にある食品を出して、何が何日分あるか数える/備蓄量の計算で、わが家に必要な量を確かめる
今週 いつもの買い物で、缶詰・レトルト・パックごはんなどを1つずつ多めに買う/カセットボンベの本数を確かめる
今月 収納場所を決め、箱の側面に賞味期限を書く/赤ちゃん・高齢者・アレルギーのある家族の分を2週間分に近づける

よくある質問

Q非常食をまとめて買えば、それで十分ですか?

農林水産省のガイドは、災害のときに使う「非常食」と、ふだん使って災害のときにも使える「日常食品」を、両方バランスよく備えるよう勧めています。食べ慣れた味があると、災害のときも食べやすくなります。

Qオール電化の家でも、カセットコンロは必要ですか?

必要です。農林水産省のガイドでも、オール電化の家に住む人も、万が一のためにカセットコンロを備えておくよう勧めています。ボンベは1人1週間で約6本が目安です。

Q賞味期限の管理が苦手です。

箱の側面に賞味期限を書き、古いものを手前に置いて手前から使うと、ローリングストックが続けやすくなります。全部を管理しようとせず、まずはよく食べる缶詰やレトルトから回してみてください。

まとめ:まずは「家にある食品を数える」ことから

  • 量の目安は、最低3日分、できれば1週間分 × 家族の人数。赤ちゃん・高齢者・アレルギーのある家族は2週間分
  • 主食だけでなく、主菜・副菜・果物・お菓子までそろえる。たんぱく質は缶詰が手軽
  • カセットコンロとボンベ(1人1週間で約6本)があると、食べられるものが大きく増える
  • ふだんの食品を少し多めに買い、食べたら買い足す。これがローリングストック
  • 置き場所は、見えるように、古いものを手前に、重いものは下に

今日、台所の棚を開けて、家にある食品が何日分あるか数えてください。足りない分が、今週の買い物リストになります。

備え全体の順番は「防災は何から始める?」で、トイレの備えは「携帯トイレの記事」でまとめています。


出典:

わが家に必要な量は?家族の人数を入れるだけで、水・食事・トイレの備蓄量がわかります

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